第588回放送番組審議会議事の概要
1.開催年月日
2025年10月3日(金)2.出席委員(敬称略)
| 委員長 | 佐竹新市 |
|---|---|
| 副委員長 | 池田あけみ |
| 委員 |
入交英太 奥村興二 大家賢三 小島久美 野並良寛 中田由季(※レポート参加) |
| 会社側出席者 |
代表取締役社長 藤田徹也 常務取締役 放送番組審議会担当 横山雄一 常務取締役 中川 浩 取締役 北澤邦典 取締役 コンテンツ局長 岡田康也 コンテンツ局 報道制作担当局長 竹村志麻 |
| 事務局 | 吉本龍二 |
3.議事の概要
(1)議題
- 【番組の合評】
- 「 戦後80年 つなぐ 戦争の記憶 」
- 【放送日】
- 令和7年08月16日(土)16:30~17:30放送
(2)審議の概要
・上記番組の批評
・次回定例会の確認
・今年度上期番組種別等に関する報告
・10月編成番組等の概要報告
・その他報告事項
(3)上記議題に対する各委員の意見の概要は次の通り
※番組の概要
戦後80年を迎え戦争体験者の証言を残す最後の機会と考え「からふる」で月1回放送の特集取材と新規取材を合わせて番組を構成。制作で心掛けた点は「今まで取材を受けていない人をなるべく探して貴重な声を後世に残す」「元軍人、学徒動員、戦争遺児など様々な立場の方を取材する」。苦労した点は「戦争体験者を探すこと」「高齢で話が聞き取り難く、記憶が曖昧な方もいた」「インタビューが中心で資料映像しかなく画作りに苦労した」など。番組は高知市を含め幅広い地域から機体整備兵、船員、学徒動員、満蒙開拓団など様々な立場の9人の方を取材。
※委員からの主な意見
・様々な立場の方々のリアルな体験証言が平和への思いと共に伝わり、構成内容が濃かった。特にご高齢の方を中心に取材した点を高く評価すると共に、制作陣の苦労が偲ばれた。
・悲惨な事実はありつつも、過激に描かれず記憶として見られる内容だった。苔むす岩とカニの冒頭映像が時間の経過や自然の力を感じさせ、夏の日差しや美しい緑など自然の色彩溢れる映像が効果的にバランス良く構成されていた。
・証言者の貴重なコメントが深く重たく響き、平和な日常の生活風景からインタビューが始まった点が良かった。証言者の言葉が字幕として全て表示され、文字情報としても分かり易かった。
・「つなぐ」ことの重要性が十分に伝わる構成で、後半は芸西村文化資料館、黒潮町の慰霊祭、県遺族会青年部の活動など、未来へつなぐ取り組みが中心に伝えられていた点が良かった。
・ナレーションを担当した藤﨑アナの落ち着きのある聞き易い声と、証言内容にマッチしたナレーションに好感が持てる。また、エンディングでの「戦争をしてはいけない」という強いメッセージのカットが非常に良い構成でした。
・内容が非常に濃い一方、少し詰め込み過ぎで重たく感じ連続すると息苦しさも感じられた。
・若い世代の団体や遺族会青年部の活動など、未来へつなぐ具体的な活動の取材を増やして欲しかった。また、番組で紹介した資料や絵画の展示場所など、視聴者が行動につながるような情報提供の必要性も感じられた。
・「戦場を巡る船旅」などのテロップ表示や「戦争の面影」というナレーションへの抵抗感など表現の適確性に疑問が残る部分があった。また、インタビュアーの質問項目(例:「悲しい思いになりましたか?」等)が軽過ぎたのではないかと云う残念さの感じられる部分もあった。
・インタビューの繋がりでマスクがあったり無かったりが連続する違和感。登場人物の顔や手元のアップが多かったことの是非。ルビを振る配慮にムラがあったこと。番組中のお墓のCMの挿入タイミングが不適切で甘さを感じた。など更なる配慮や機転を促す意見もありました。
・戦争の体験者が高齢化し今後直接話を聞ける機会が限られているため、記憶の断絶を防ぐための報道や番組作りの方法を危機感と共に今後も考える必要があると思われる。 等
以上
