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コロナ禍で誕生したコラボスイーツ 高知・中土佐町

高知県中土佐町では人気のスイーツ店と老舗の酒蔵の共同開発によって新たなケーキが誕生しました。コロナ禍を逆手に商品開発に意欲を見せる事業者の思いを取材しました。

イチゴを使ったケーキが人気となっている中土佐町のスイーツ店です。このほど誕生した新たな商品には、まちの歴史を育んできた大切なものが使われています。

日本酒を使ったチーズケーキです!

太平洋に面した町、中土佐町。1997年に地元のイチゴ農家の女性たちが立ち上げたスイーツ店「風工房」は、摘みたてのイチゴを使った菓子を販売しています。海辺のドライブとともに楽しめるスイーツ店として、店頭販売で売り上げを順調に伸ばしていたところに、コロナが襲いかかりました。

「風工房は店頭販売が売り上げの9割を占める。お客さんが来なくなると売り上げが激減し、2020年4月から5月にかけて1か月ぐらい休業した。ここで待っていてもお客さんが来ないのであれば外へどうやって商品をお届けできるか、方向性を検討していった」(風工房 清岡章浩社長)

量販店での出張販売を始めるなど、新たな道を模索していたところ、スタッフからアフターコロナを見据え、まちの魅力を発信する新商品の開発を求める声が挙がったといいます。

一方こちらは、創業230年の歴史を誇る西岡酒造店。江戸時代中期に創業し、地域の人たちに愛され続けてきた酒蔵もまた、コロナで打撃を受けています。

「徐々に日本酒の消費は落ちて来ていたがそれが一気に進んだという感じ。15年後ぐらいが急に来た感じですかね」(西岡酒造店 西岡大介社長)

去年の売り上げは例年の8割ほど。個人や居酒屋での消費が多い分、落ち込み幅は大きくはなかったものの、今後の予想がつかない状況に日々困惑しているといいます。そんな中、日本酒を新しい形で楽しんでもらうことができないかと風工房に商品開発の話を持ちかけます。

「日本酒業界は厳しい状態だが同じ地域でコラボできてお酒(として楽しむ)以外の道ができたら面白いですし、これがきっかけで日本酒にまた来てもらえたらいいなと思います」(西岡酒造店 西岡大介社長)

商品開発を望んでいた風工房にとって、西岡酒造店からの提案はまさに「渡りに船」。スタッフ総出で知恵を絞ったといいます。こだわったのは、日本酒らしさを大切にしつつ、日本酒が苦手な人にもおいしく食べてもらえること。7か月間、試行錯誤を繰り返し、ついに2つのチーズケーキが出来上がりました。

それがこちら!純米吟醸酒の「純平」をたっぷり使った「酒蔵レアチーズ」です。日本酒を混ぜ合わせたレアチーズを小夏ゼリーとレモンムースで挟み込み、さわやかな味に仕上げました。

「シャープになるというかエッジが効くというか。過熱してないのでアルコールに弱い人は酔うと思います」

もう一品は、酒粕を使った「酒蔵チーズケーキ」です!酒粕と白あんを練り合わせ、クリームチーズとともにしっとりと焼き上げました。

「いろんな方に日本酒を食べてほしいなと思ったのと、地元のお酒やさんとコラボしてるので、たくさんの方に食べていただけたらなというのが一番の願いですね」

ふたつのチーズケーキは、きのうから販売が始まりました。

「アルコールがそんなに強くはないが食べやすいケーキだったらいいなと。自分へのご褒美として食べたいと思っています」(購入した人)

「久礼という町にはたくさんおいしいものがあるし、県内で一番古い酒蔵が西岡酒造。ぜひそういうところと組んで、これから新しい商品をどんどん地域の人と一緒に知恵を出し合いながら盛り上げていきたいなと思っています」(風工房 清岡章浩社長)

人気のスイーツ店と、老舗の酒蔵。2つの事業者がアフターコロナを見据えてまちの新しい時代を切り開こうとしています。