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ライブハウス 時短要請協力も抱える"苦悩”

第4波とされる感染の波が高知県内で、いまだ収まらない中、3度目の営業時間の短縮要請では夜の営業がメインのライブハウスも対象となっています。今回の要請についてライブハウスを取材すると「営業ができない」こととは別の苦悩が見えてきました。

去年3月、大阪のライブハウスでクラスターが確認されたことから一時、ライブハウスは密閉空間で感染リスクが高い場所としてのイメージが広がりました。「ライブハウスは悪者なのか」全国でそんな議論も巻き起こる中アーティストやライブファンたちの後押しもあって徐々にウイズコロナのライブスタイルが作りあげられてきました。

こちら、高知市のX-ptでは入場時の検温、消毒の徹底はもちろん、万一に備え一人一人の連絡先を確認。1年たった今は観客にもウイズコロナのライブスタイルは浸透しライブ中もマスク着用で声を上げずに楽しみます。さらに入場者数は本来のキャパシティの4分の1、もしくは5分1までに抑え売り上げ以上に感染対策を優先しています。

「この一年で公演が90本くらい延期、中止となりましてライブハウスとしては厳しい1年だったんですけど、今回の時短要請に対しては(感染確認が)増えたことで致し方ない、それに対しては協力していかなければいけないと思ったんですけれども。ちょっと気になったのがライブハウスは別枠に記載されたところがひっかかってまして。これまでやっと1年間つうじて、ライブハウスも安心できる場所として認識してもらえるように感染対策、ガイドラインを作ってこれまでやってきたんですけれども。また悪いイメージを持たれるんじゃないかなという部分は危惧しています。」(クロスポイント 代表 西岡隆宏さん)

今回県が発表した時短要請の対象施設の一覧です。そこには・・・

「施設内で大声を発するなど飛沫感染のおそれが高い施設」
「ライブハウス」

ライブハウスの営業許可は『飲食店』として出されています。しかし要請ではライブハウスは飲食店のカテゴリーとは別に、「飛沫感染のおそれが高い場所」と別枠で記載されています。大阪のライブハウスでのクラスターから、1年。ウイズコロナの中、安心安全なライブのあり方を追求し、文化を守ろうと奔走してきた西岡さんは、こうした記載にやるせなさを感じています。

「どれが正解とはこれで正解とはないと思うんですが、できる限りのことはやってるつもりなんですけどね。この感染対策をとってきて、今のところは感染は出していないと思うんですが、これを(時短を)継続していけばいいのであれば・・・・・んー、なんでやろうなぁ・・・・」(西岡さん)

西岡さんは「感染を食い止めるためには要請には協力しなければいけない」と繰り返しますが、感染拡大の仕組みがある程度わかってきた今でも、どの業種も一律、午後8時までという時短要請には疑問もあると話します。
 
「じゃあ21時までやっていたイベントを、20時までのライブにしてそれで安心なのか。催しやるんですけど20時まででしたらOKということですよね(記者:そうですね)それが今回の時短要請の目的にライブハウスが合うのか、どうなのか」(西岡さん)

今回の時短要請は今のところ、6月8日までとされています。しかし、ライブハウスは何ヶ月も先までアーティストたちとスケジュールを組み立てます。すでに白紙になったライブもある上に今の状況では営業をかけることもできないため、要請の期間が過ぎても、確実に影響が続きます。

この一年、配信ライブに挑戦してその形を確立し、オンラインでの投げ銭ライブを実施してきました。ほかにも開放的な屋外で、ライブハウス同士でイベントを共同主催したり、アート作品の展示会場として活用したりと、苦しい中でも「音楽を止めない」という一心で、保ち続けてきたモチベーション。ゆっくりと、しかし着実に前進してきたからこそ、今回の要請には心が痛む部分もあります。

「ライブエンターテインメントが戻ってくることを願いながら、気持ちは失わずに続けてはきましたけど、ただやっぱりこれほど長くなってくるとゴールが見えてきたのかなってところで『あぁまたゴールが先になってしまったのかな』って時にちょっと心が折れそうになりますけど」(西岡さん)

「前向きであろう」とする気持ちと「疲れた」という気持ちの狭間で揺れているように見えた西岡さん。またしても訪れた逆境の中、もう一度、一歩一歩歩んでいきたいと自分を奮い立たせるように話してくれました。

「まぁ空元気でも元気な方がいいですよね。沈んでてもしょうがないので。少なからずやれたライブにはほんとに勇気づけられたし、やっぱりライブっていいなぁって今になってまた改めて気付かされたこと多いですから。ライブエンターテインメントは死なないと思ってるので」(西岡さん)