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未来につなぐSDGs 「究極のエコカー」

からふるでは、「未来につなぐSDGs」と題して、高知県内で活躍する人を紹介します。きょうは、「究極のエコカー」といわれる水素自動車の普及を目指す県内企業の取り組みです。

自動車から出る排気ガス。二酸化炭素が多く含まれています。国土交通省によりますと、国内で排出される二酸化炭素のうち、16%は、自動車によるものだといいます。こうした中、進められているのが・・・

水素自動車の普及です。こちらはトヨタ自動車が、2014年に発売した水素自動車「MIRAI」。水素をエネルギーとして発電し、その電気でモーターを動かして走ります。二酸化炭素の排出はなく、最終的に出るのは、水です。

「水素自動車MIRAIが走り始めました。かなり静かですね。普通の車と比べてエンジンの音がしないのはもちろん、機械の音もなく滑らかに車が進む」(久保田アナウンサー)

水素を「満タン」にするとおよそ6000円。走行可能距離は400キロほどで、ガソリン車と比べても遜色ありません。「究極のエコカー」として注目が高まっています。

この水素自動車を県内で唯一登録しているのが、高知市で医療用の酸素や、工業用ガスを製造・販売する、土佐酸素です。気体を管理するノウハウをいかして水素自動車の普及を図ろうとしていて、県内初となる水素自動車用の補給場所、「水素ステーションの設置」を目指しています。

「太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーを使いながら(水素を利用し)CO2を全く排出しないこと、これはメリットのあること」(土佐酸素 野村茂社長)

土佐酸素が水素自動車を購入したのは2018年。購入と同時に、ステーションの設置に向けて設計図の作成や候補地の選定、水素の仕入れルートの確保などを進めてきました。準備は順調に進みましたが、設備の設置にかかる費用がおよそ5億円、維持費に年間4000万円かかることが分かり、計画は一時凍結。購入した水素自動車は今でも、香川県で水素を補給する状態が続いています。

「高知県や高知市にお願いして、金銭的なことについてもご支援いただきたい」(土佐酸素 野村茂社長)

国は2017年に、水素エネルギーに関する基本計画を発表し、水素自動車をはじめとする燃料電池車を2020年までに4万台普及させるという目標を打ち出しました。しかし、次世代自動車振興センターの統計によりますと、2019年現在、4000台足らずにとどまっていて、背景には車両価格の高さとと水素ステーションの少なさが指摘されています。

土佐酸素は行政の支援を求め、県に意見書の提出などを続けているほか、県も今年3月に打ち出した「新エネルギービジョン」で水素エネルギーについて触れていて、「水素の普及開発に努める」と前向きな姿勢を見せています。

野村社長も水素自動車の普及に向けた第一歩になると期待を寄せています。

「水素というのは自動車だけじゃない、水素発電のようなエネルギー系においても非常にメリットがある。全体的に水素を利用することで、脱炭素化社会の実現をしていきたい」(土佐酸素 野村茂社長)

土佐酸素は今後も行政への働きかけを続けることにしていて、サポートが得られればその2年後に、水素ステーションの第一号を完成させたい考えです。「究極のエコカー」と言われる水素自動車。本格的な普及が進むのかどうか注目されます。