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ジョルジュ・ルオー 深みと力の版画展

20世紀を代表するフランスの画家、ジョルジュ・ルオーの版画展が高知県立美術館で開かれています。

今回の企画展はフランスの宗教画家として知られるジョルジュ・ルオーが1948年に出版したモノクロの版画集「ミゼレーレ」の中から58点が展示されています。

太い輪郭線や厚く塗った油絵具が特徴的なルオーの作品には、キリストや聖書といった宗教的なものをはじめ人々の苦悩や心理の裏側に潜む皮肉な心情が描かれています。

こちらは天にいる人物が情け深く微笑み、対照的に頭を垂れるキリストが描かれています。秩序の保たれた天と苦悩に満ちた地上の世界が見事な対比で表現されています。

化粧を施した道化師を描いたこちらの作品には自分の素を隠し、うわべを飾るという意味が込められています。ルオーはこうした人間の心理の裏側を生涯のテーマとして描き続けました。あえてモノクロでの表現に徹した今回の作品の中にも様々な版画の技法が駆使されていて、どの作品からも力強いメッセージが伝わってきます。

「ヨーロッパにとっての20世紀という戦争が2回もあった。暗い時代の歴史というのが滲み出ているような作品集ではあると思います。一つ一つに込められた背景というか、そういった所にまで想像を膨らませながら観て頂くとより面白いのではないかと思います。」(高知県立美術館 中谷有里 学芸員)

ジョルジュ・ルオー《ミゼレーレ》展は、県立美術館で今月23日(日)まで開かれています。