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目指せオリンピック 高知県内スポーツの未来担う「くろしおキッズ」

今年行われた東京オリンピック・パラリンピック。連日のメダルラッシュに日本中が熱く盛り上がりましたよね。

そうした中、高知県内では未来のオリンピアンたちが動き出しています。小学生たちが様々な競技を通して運動能力の向上を目指す県のプロジェクト「高知くろしおキッズ」です。取材すると県内スポーツの明るい未来が見えてきました。

レスリングに打ち込む子どもたち。見事な身のこなしですが・・・

「習っているスポーツは水泳・陸上・野球」(十津小学校5年 美濃部桜介さん)

「サッカーの日本代表になりたい。」(川北小学校5年 島崎雄拡さん)

全員、レスリングの経験がほぼないのです。普段はそれぞれ別のスポーツに打ち込み、通う学校もバラバラ・・・実は彼ら、「身体能力の高さ」で選ばれたメンバーなんです。その名も・・・「高知くろしおキッズ」。高知くろしおキッズとは県内の小学4年生から6年生までの児童が、月に4回ほどさまざまな競技やトレーニングなどを体験するプロジェクトです。メンバーになるためには体力測定や面接といった「選考会」に合格しなければなりません。その倍率は5~6倍!狭き門を突破した児童だけがくろしおキッズに認定されます。陸上の全国大会で日本記録を更新した南国市の大篠小学校6年、岡林結衣さんや、カヌーの全国大会で3位の成績を残した高知市の五台山小学校6年の岡村明咲さんらスーパー小学生も高知くろしおキッズのメンバーです。

このプロジェクト、県内からオリンピアンを生み出そうと県が13年前に立ち上げ、業務はおらんく球団・高知ファイティングドッグスに委託しています。

「運動能力を最大限に伸ばすのが目標なんですけど総合的な人間力を高めるねらいがあります。」(県文化生活スポーツ部スポーツ課 土居史仁 主任)

高知くろしおキッズには今、61人の児童がメンバーとして認定されています。

この日行われたのは、5年生を対象にしたレスリングのレッスン。土佐塾中・高校レスリング部顧問の小田貴久さんが講師を務めました。

「最短で入るのはどうしたらいいかというとまっすぐ、速く。」(土佐塾高校レスリング部顧問 小田貴久さん)

児童たちは受け身やタックルを教わるやいなや「実践」に入ります。

格闘技特有の動きや筋肉の使い方にとまどいながらも、レスリングを「体」で覚えていきます。こうした体験プログラムを普段打ち込んでいるスポーツに生かしてもらうことが、高知くろしおキッズの大きなねらいです。

「レスリングは素早くするところがある。陸上のスタートダッシュが遅いので速くなりたい。」(久礼小学校5年 市川笑梨さん)

「いざというときに受け身を使ってけがを防ぐことに生きると思う。」(川北小学校5年 島崎雄拡さん)

「柔軟性が必要なのでサッカーに生かしたい。」(川北小学校5年 島崎孔瑛さん)

「レベルの高い同じ学年の子どもたちと練習できるのでスキルアップのためにと応募。子どもがサッカー選手を目指しているならそれをバックアップするのも親の役目。」(島崎君の父 良太さん)

またプロジェクトでは体験プログラムを通して、一人一人が得意とする競技を見極めます。それをもとに年に1度、面談が行われ、児童にスポーツ教室を紹介する「橋渡し」の役割も担っています。

「くろしおキッズでトランポリンにむいちゅうことがわかった。」(附属小学校5年 山本爽世さん)

高知市大津のトランポリン教室に通う山本爽世さん。今年2月の面談で4つの競技を勧められ、そのうちの一つ、トランポリンを選びました。

「みんながきれいに飛んでいるところを見て憧れた。ばねを使って飛ぶのが好き。先輩のように大会に出たい。」(山本爽世さん)

トランポリンを始めてまだ半年。日常生活にない動きや高さに恐怖心もあるといいますが、宙を舞う山本さんの表情はいきいきとしています。くろしおキッズを通して心から挑戦したいと思えるスポーツに出会えた山本さん。他の競技も並行して行えることにメリットを感じています。

(Q.役に立っているスポーツは?)
「陸上。バランスが良くなっている。ハードルの着地にふらつきがないよう意識している。」(山本さん)

楽しみながら様々な競技に触れることで広がるスポーツの選択肢や可能性。東京オリンピック・パラリンピックが閉幕した今、くろしおキッズに認定された逸材たちが、県内スポーツの未来を担っています。