KUTVニュース

ジョルジュ・ルオー 深みと力の版画展

20世紀を代表するフランスの画家、ジョルジュ・ルオーの版画展が高知県立美術館で開かれています。

今回の企画展はフランスの宗教画家として知られるジョルジュ・ルオーが1948年に出版したモノクロの版画集「ミゼレーレ」の中から58点が展示されています。

太い輪郭線や厚く塗った油絵具が特徴的なルオーの作品には、キリストや聖書といった宗教的なものをはじめ人々の苦悩や心理の裏側に潜む皮肉な心情が描かれています。

こちらは天にいる人物が情け深く微笑み、対照的に頭を垂れるキリストが描かれています。秩序の保たれた天と苦悩に満ちた地上の世界が見事な対比で表現されています。

化粧を施した道化師を描いたこちらの作品には自分の素を隠し、うわべを飾るという意味が込められています。ルオーはこうした人間の心理の裏側を生涯のテーマとして描き続けました。あえてモノクロでの表現に徹した今回の作品の中にも様々な版画の技法が駆使されていて、どの作品からも力強いメッセージが伝わってきます。

「ヨーロッパにとっての20世紀という戦争が2回もあった。暗い時代の歴史というのが滲み出ているような作品集ではあると思います。一つ一つに込められた背景というか、そういった所にまで想像を膨らませながら観て頂くとより面白いのではないかと思います。」(高知県立美術館 中谷有里 学芸員)

ジョルジュ・ルオー《ミゼレーレ》展は、県立美術館で今月23日(日)まで開かれています。


高知市の小学生が田植えを体験

生産者の苦労や喜びを知ってもらおうと、高知市の小学生が青空の下で田植えを体験しました。

田植えを体験したのは、高知市の五台山小学校の5・6年生25人です。学校では生産者の苦労や喜びを感じてもらおうと、地域の人たちの協力を得て田植え体験を行っていて、今年で25回目です。児童たちは10アールの田んぼに、「カグラモチ」という品種のもち米の苗を手作業で丁寧に植えていきました。

毎年恒例の児童による田植えですが、去年は新型コロナの影響で中止になったため、2年ぶりの開催です。初夏の強い日差しが照りつける中、児童たちは田んぼのぬかるみに大はしゃぎしながらも、しっかりと苗を植えていました。

「昔はこれ一からやりよったがや!」
「難しいけど楽しいです」
「ねちょねちょしているところが気持ち悪いけど植えるのは楽しい」
「みんなが楽しく食べられるようなお米に育ってほしい」(児童)

児童たちは9月上旬に稲刈りを行う予定で、収穫した米は餅つきや給食として使われます。


大学生がオープンさせた駄菓子店

子どもたちの居場所になるようにとの願いが込められた小さな駄菓子店が先日、高知市にオープンしました。店長は大学生。店のオープンまでを追いました。

今月5日、高知大学朝倉キャンパスのすぐ近くに小さな駄菓子店がオープンしました。

空き家を利用したこの駄菓子店、2人の大学生が作り上げました。店の広さは畳7枚分と狭く、品数も多いわけではありません。それでも店の中には子どもたちの笑顔が溢れていました。

オープンに向けた準備は今月1日に始まりました。店長を務めるのは高知大学4年生の森野純夏さんです。副店長を務める高知大学4年生檜山諒さんのほか、学校外の講演会などで知り合った友人2人とともに、4日後に迫るオープンに向け準備を進めます。

森野さんは静岡県出身。高校卒業後、高知大学地域協働学部に進学し、地域福祉や児童福祉について研究を続けています。子どもが好きだという森野さんは、学習を支援するオンラインボランティアにも取り組んでいます。その中で、ある疑問が生じたといいます。

「1日の大半をパソコンに向かって過ごしていて、『私、ここに住んでいる意味あるのかな』って」(森野純夏さん)

地域の子どもたちと関わるための場所を作りたい。森野さん達が導き出した答えは、子どもの頃よく通っていた「駄菓子店」でした。目指すのは、「子どもの居場所」です。

「『来ていい場所』って思えることが大事かなと思う。何をしなきゃ行けない場所ではなく、『そこにいていい』という空間ができれば。」(森野さん)

店を構えるには場所が必要です。知り合いに相談したところ、元々、学生の下宿寮で、高知大学のすぐそばにあるこちらの建物の1室を無償で貸してくれることになりました。さっそく準備開始。掃除をしながら、部屋のレイアウトについてアイデアを膨らませる森野さんたち。内装に取り掛かろうとしたその時、1人の女性が手伝いたいと申し出ました。

「この前を通りがかって」(齋藤さん)

「えぇー!」(森野さん)

高知大学大学院2年の齋藤香織さんです。

「お手伝い募集しているので、もし人手が必要ならいってみようかと思って」(齋藤香織さん)

子どもたちには、この駄菓子店でいろんな人と過ごす中で、「人とのつながり」を感じてほしいと話す森野さん。この場所で突然訪れた齋藤さんとの出会いも、「人とのつながり」です。

インテリアも充実してきたところで、いよいよ菓子を並べます。森野さんと檜山さんがお金を出し合って調達した駄菓子1万7000円分です。

「いいですね『駄菓子屋感』出てきましたね」(森野さん)

「おみくじ付きのやつはときめきを感じて買ってた。必死に恋愛運!恋愛運!恋人!恋人!みたいなことをやってたなと思って、商品に選んだ」(檜山諒さん)

値札を貼りつけ、この日の作業は終了です。

「8割ぐらいできたんじゃないですかね」(森野さん)

翌日。まだまだやり残したことがありました。この日も午前中から作業が進められ、友人や大学の後輩たちが応援に駆けつけました。森野さんのアイデアで押し入れに画用紙を貼り付けた落書きスペースも設けられました。この日のメインは看板作りです。子どもたちに来てもらうため、看板にはイラストを添え、親しみやすくしました。店にとって看板は顔です。

森野さんたちの思いが詰まった、「だがしやふぃーか」の完成です。フィーカは「居心地が良い場所」を意味するデンマーク語。子どもたちにとっていい居場所になってほしいとの願いが込められています。

「さらに現実味を増してきて、お客さんが来るのが楽しみすぎて夜も眠れないかもしれない」(森野さん)

今月5日。雨の中、オープンの日を迎えました。

開店直後に最初の客が訪れます。近くに住んでいるという、親子でした。さっそく手作りの「ひもくじ」を引いてもらうと・・・

くじは失敗しましたが、近くにできた駄菓子店を楽しんでいる様子でした。

「本当に来てくれるんだと思ってうれしいです。思った以上に小さいお子さんで、かわいくてしょうがない」(森野さん)

次の客は小学6年生の女の子。駄菓子を買ったあと、「お兄ちゃんが来るはず」と店で待つことに。押し入れの落書きスペースで、森野さんとお絵描き勝負です。

「鼻が無い!」(女の子)

「いい線行ってるなぁ、なんで目玉も分かるの?うまい棒毎日食べてるがやろ?」(森野さん)

「チーズ味は毎日食べてる。毎日じゃないけど、1週間に何日か食べるよ」(女の子)

このまま2時間が経ち、「夕方も来るね」といって店を出た女の子。よほど居心地がよかったのでしょうね。

その後も子どもたちや親子連れが次々と訪れた「だがしやふぃーか」。スペースは狭く品数も決して多いわけではありませんが、客はみんな笑顔です。

「もう無いですね。個人がやってるような駄菓子屋さんは。こんな場所があって、友達と買いに行ったり、来たら友達に会えるとか、あと、大学生とか若い人と触れ合えるのは子どもにもいい」(近所の客)

「子どもたちにとって居心地のよい空間」。森野さん達が目指していたものが形になった瞬間でした。

「さっき、『ここにいたいと』言ってくれていたので、こんな風になってくれるんだと思って。不思議な感じですね。自分でもそれを目指したんですけど、何がそうしてくれたのかって不思議に思います。ここらへん(心)があったかくなる気持ちです。大人が思う分かりやすい目的とか目標はなくても『あそこ行こうぜ』って言って、行きつけの場所、遊びの場所の一つになったらいいなって思います。」(森野さん)

だがしやふぃーかは、毎週火曜と金曜の午後0時半から6時まで開店しています。


木漏れ日の中 絶滅危惧種のラン咲く

牧野植物園で栽培され、絶滅危惧種に指定されている「ガンゼキラン」の花が見頃を迎え、木漏れ日を受けながら力強く咲き誇っています。

ガンゼキランは昭和30年ごろに園芸用として乱獲が進み、数が激減。絶滅危惧種に指定されていて、高知でも自生している姿を滅多に見ることができない珍しい花だと言います。植物園は9年前に四万十町の農家から株を譲り受け、少しずつ数を増やしてきました。当初はおよそ40平方メートルの広さでしたが、今ではおよそ500平方メートルに。5000株を超える大群落にまで成長しました。今年も「ガンゼキラン」が見ごろを迎え、きょうから1週間限定で公開されています。

「去年は限定公開が臨時休園の関係でなくなって職員一同本当に悔しいをしました。その直後に『絶対に来年は最高の状態にして皆さんを癒やそう!』と決めて、手入れをすごく強化した結果、2012年からやって史上最高の状態を迎えることができましたので、職員一同喜んでおります。コロナで皆さん傷ついていると思うので癒されて頂きたいなと思っています。」(県立牧野植物園 樹木医 藤井 聖子さん

牧野植物園のガンゼキランは今月16日(日)までの毎日午前11時から午後3時まで公開されます。

雨の場合は足場が危険なため公開を中止することもあり、牧野植物園のホームページ、またはSNSをチェックしてください。急な斜面で足元が滑りやすいため、運動靴など歩きやすい格好でお出かけください。


新型コロナ 新たに3人感染確認

新型コロナをめぐり高知県内で新たに3人の感染が確認されました。また、今月3日からきのうまでに行った変異ウイルスの検査では、100人中93人が陽性となったということです。

新たに感染が確認されたのは20代から80代までの男女3人です。感染経路が分かっていないのは1人で、3人とも症状は軽いということです。きのう感染確認が発表された1人が新型コロナの感染ではないと判断されたため、医師が発生届を取り下げています。県内の感染確認は1123人。40人が医療機関に入院中で、重症の患者と中等症の患者がそれぞれ3人ずつとなっています。また、県が今月3日から9日までに行った変異ウイルスの検査では100人中93人が陽性だったということです。県内の変異ウイルスはこれまでに211人の検査で144人が陽性となっていて、県は「県内の感染はほぼ変異ウイルスに変わった」と捉えています。

ところで、今月22日から予定されている県高等学校体育大会での感染防止対策について県教育委員会は、無観客とすることで会場の人数を制限することや、エントリーしている5000人以上の生徒、さらに審判などの関係者に簡易の検査キットを送付することを明らかにしました。健康チェックもこれまで以上に徹底するということです。