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静岡・熱海の土石流 専門家「高知も他人事ではない」

静岡県熱海市で発生した大規模な土石流では、発生から5日経った今も20人以上の安否が分かっていません。今回の土砂災害について、県内の地盤工学の専門家は「他人事ではない」と警鐘を鳴らします。

今月3日(土)、静岡県熱海市で大規模な土石流が発生。これまでに巻き込まれて死亡した人がいるほか、現在も20人以上の安否がわからなくなっています今回の土石流について、地盤工学の専門家で、防災についても詳しい高知大学の原忠教授は…。

「まず地形的にみると、谷で『集水地形』。日常的に水が溜まりやすい。豪雨の際はその谷に水が集まってきてそれが流れる、そういう地形。土石流が発生しやすいような条件が揃っている。」(高知大学 原忠 教授)

加えて、土石流の起点となった場所に「盛り土」があったことも1つの原因とみています。

「人工的に作った土を固めたような場所があったが、そういう所は自然の斜面に比べて元々の材料が脆弱。仮にその脆弱なものに水が含まれると土塊の力のバランスが崩れたり、そこに地下水があって止めていた摩擦が切れたりすると容易に土砂として下流に流れていく」(高知大学 原忠 教授)

原教授は一瞬で迫りくる土石流の怖さを指摘します。

「土石流は一般的に速くて時速40キロ、いわゆる『海岸の津波並の速度がある』と言われているが、今回がまさにそう。土石流の怖いのは、上流側の見えない所で発生する可能性があることと、そうであってもわずかな時間で下流まで襲ってくる。気づいたときに逃げている時間はほとんどない」(高知大学 原忠 教授)

高知県は土砂災害の危険性がある場所が全国7位の1万8000か所あり、原教授は今回の土石流は「他人事ではない」と話します。

「元々山地に居住があったり、山地を抱えている地域特有の状況。その中でも『土砂災害危険渓流』今回のような事象が起きやすい場所が4800箇所くらいある。これも全国的に見て規模の大きい範囲なので熱海で起きたことは『他人事』と言えない」(高知大学 原忠 教授)

原教授は「雨がやんだ後にも土砂災害が起こる可能性がある」と指摘した上で、「早めの避難が重要だ」と話します。

「土っていうのは、津波よりもっと怖い。大雨が降ったら壊れるもんではない。場合によっては、過去の斜面系の自然災害をみると雨が降って1日後に崩れだすとか、雨が降って何週間か後に壊れるという事象もある。雨がやんだからもう逃げなくてもいい、そういう問題ではない。豪雨はある程度予知ができる。異変を察知した瞬間ではもう手遅れの可能性があるので異変を感じる前に自主的に避難したり、ためらいなく声かけをして避難する、そういう行動が身の安全を担保する1つのきっかけになるのでは」(高知大学 原忠 教授)