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高知県西部・幡多地域で新たな取り組み 観光×SDGs

持続可能な開発目標=SDGsを観光分野と結びつけた新たな取り組みが、高知県西部、幡多地域で始まっています。世界的にも取り組みが加速しているSDGs、これからの「観光」の新たな形となるのでしょうか、取材してきました。

県西部、幡多地域。海、山、川、とにかく豊かな自然!豊富な観光資源が揃い、県外からも、そして、県内からも、大勢の観光客が訪れる人気のエリアですよね!

「もんてきちょうでー」(尾﨑アナウンサー)

幼いころから幡多地域の自然の中でいっぱい遊び、おいしいものをたーくさん食べて育ってきた、尾﨑アナ。

幡多地域の新たな取り組みとは?やってきたのは、四万十市。幡多広域観光協議会です。

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「コロナ禍で将来不安の中、SDGsという言葉が頭をよぎった。持続可能な開発目標、これを観光にいかそうと商品化。」(幡多広域観光協議会 東泰照 総務部長)

SDGsとは、国連で採択された「持続可能な開発目標」のこと。貧困や飢餓を無くすという目標やジェンダー平等、気候変動への対策など17の目標が掲げられていて、世界的にも取り組みの重要性が叫ばれています。幡多地域では、豊かな自然を武器に、中学校や高校の修学旅行を呼び込んできましたが、コロナ禍で大きな打撃も。これからの時代を見据え、SDGsを学ぶ3つの観光プログラムを作ったのです。

一つ目のプログラムは、今も60種以上のトンボが確認されている、日本一の保護区、トンボ王国です。池の環境を整えたり、公園にいる生き物を難易度別に探したりして、「里山の生態系」について学びます。

「自然があって、生き物がいたらこんな楽しい経験が出来るということを知ってもらいたい」(杉村光俊さん)

トンボと自然を考える会の常務理事、杉村光俊さん。生態系の大切さと一緒に伝えたいことがあります。

「(ここは)手を入れ続けて今の生態系を維持している。多くの人は、自然はそっとしておけばいい状態であり続けると思っているが、そうじゃない。子どもたちは虫がいることをしらない。だからいなくなっていることに対する危機感がない。生態系の仕組みがないと生きていけないことを認識すれば、守らないと思う、そのきっかけになれば」(杉村さん)

2つ目の舞台は、土佐清水市。去年7月にリニューアルオープンした足摺海洋館、SATOUMIが舞台です。竜串海岸の潮だまりで、今度は、海の生態系を調査。数々の生き物の存在を自分たちで探し、小さな、しかし、たくさんの命を見つめます。

「生き物のファンになってもらって、おもしろさ、かわいさ、それが目の前の自然にたくさんいるということを知ってもらいたい」(足摺海洋館 新野大 館長)

海が豊かということは、川、そして、森が豊かということ。あらゆる命は、つながっている。そう気づいてもらいたいと、新野館長は考えています。

「多様性のある生き物を未来永劫守るため、何ができるのか考えるきっかけに」(新野館長)

ダイビング客をはじめ、その名は今や全国区。大月町柏島のプログラムは海の環境がテーマです。

この日は、プログラムの内容を確かめるモニターツアーが行われました。

まず行ったのは、大きさ、たった数ミリの微小貝探し。海の環境がいい所にだけ生息していて、海のきれいさのバロメータでもあります。

「ライン上を探すといます。目を凝らして探してみましょう」(黒潮実感センター 神田優 センター長)

わずか数ミリの貝ですが、色、形は無限にあります。まさに、宝探し。

「柏島って生物多様性が高い、素晴らしいところ。」(神田さん)

美しい海を背中に、夢中になっていると。

「微小貝がいる所をすくってもってきました」(神田さん)

トレーにいれた砂に、神田さんが海水をいれました。

「微小貝はあるが、上に浮かんでいるのがプラスチック。」(神田さん)

ビニール袋やペットボトルが海を漂うと、紫外線などで劣化し、小さく、粉々になります。これが、マイクロプラスチック。いま、大きな問題となっているんです。

高知県の端。美しい砂浜で知った、海の現実。この問題は、もう、他人事ではありません。

森、川、海。豊かな自然をいかしながらSDGsを考える、幡多地域の取り組み。これからの時代に求められる新たな観光の形となりそうです。