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自衛隊潜水艦事故 海上保安庁の本格調査始まる

海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」が足摺岬沖で訓練中に民間の商船と衝突した事故で、海上保安庁はけさから本格的な調査を開始しました。

きのう午前11時ごろ、足摺岬沖南東の太平洋で訓練中の海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」と民間商船が衝突しました。「そうりゅう」は、潜望鏡で周囲を確認しながら浮上中だったということです。事故の衝撃で、食事の準備中だった潜水艦の乗組員ら3人が軽傷を負いました。

「高知市沿岸部にあります高知新港です。あちら、堤防の外側に停まっているのが民間の船舶と衝突した自衛隊の潜水艦『そうりゅう』です。人が何人か立っているのが確認できます。」(尾﨑大晟アナウンサー)

事故から一夜明け、「そうりゅう」の姿は高知港の沖合いにありました。日の出と共に、高知海上保安部の巡視船「とさ」が「そうりゅう」の周りを航行し、船体の損傷を確認。午前8時ごろから海上保安官が「そうりゅう」に乗り込み、本格的な調査が始まりました。

「衝突した潜水艦です。艦橋部分にゆがみが見えます。」(佐藤慎亮記者)

およそ40人態勢で行われている調査では、損傷した艦橋部分など船体の確認作業や乗組員への聞き取り調査が行われ、午後も続けられました。「そうりゅう」は潜望鏡を上げて浮上する際に商船とぶつかっていて、衝突時の安全確認の状況について確認が進められました。

「本事故により国民の皆様に多大なご心配をおかけしました。大変申し訳なく思っております」(岸信夫防衛大臣)

岸防衛大臣は海上保安庁の調査に全面的に協力する考えを改めて示した上で、海上幕僚監部の事故調査委員会による原因究明も進めていく考えを示しました。

愛媛・宇和島水産高校の練習船がハワイ沖でアメリカ海軍の原子力潜水艦と衝突し生徒が犠牲になった事故からあすでちょうど20年を迎えます。近所を散歩していた人からは、再び潜水艦による事故がおきたことについて「あってはならないことだ」という声も聞かれました。潜水艦は事故の衝撃で通信アンテナが壊れ、3時間以上にわたって通信が途絶えたことについて、海上自衛隊トップの山村・海上幕僚長は「非常に問題がある」という認識を示しました。

「全部、一時的でも使えなくなるという想定はなかったというふうに思います。反省すべきところであろうというふうに思います。想定外というのはやっぱり許されない」(山村浩海上幕僚長)

海上自衛隊では、非常時の通信手段を確保するため、携帯型衛星電話の配備などの再発防止策の検討を進めています。そしてきょう夕方、潜水艦と衝突した民間商船が神戸港に向かう様子をJNNのヘリコプターが捉えました。香港船籍の貨物船「オーシャン・アルテミス」で、左舷側に衝突でできたと見られる大きな傷やへこみが確認できます。

あすは国土交通省運輸安全委員会の調査官が高知入りし、事故原因を調査する予定です。