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「同じようなことが起きないように」起訴取り消しの課長 心境語る

「同じようなことが起きないよう望む。釈放後、家族通じて多くの方から励ましの言葉もらった。弁護士の多大なるご尽力には大変感謝しております。家族には大変つらい思いささせた事や、つらかった時期を支えてくれた家族、特に妻にはに感謝しております。これからは社会に少しでも恩を返していければと思っております。」

声を震わせながらいまの心境を語った男性。高知県香南市の公共工事をめぐる入札情報漏えい事件で、起訴が取り消された香南市住宅管財課の村山敦課長です。課長は今年9月、官製談合防止法違反の疑いで逮捕され、一度釈放。高知地検に、再び同じ容疑で逮捕、起訴されましたが、今月3日、起訴が取り消されました。課長は起訴の取り消しは、うれしかった半面、事件の真相がわからないことは複雑だと話します。

「できればっていう話ではないですけど、入札の金額を漏らしたっていう方がわかりたいというのが本当の気持ちです。」

「同じようなことが起きないように」と話す課長。否認しているにもかかわらず信じてもらえなかった取り調べの期間中の心の支えについて、次のように話しました。

「やっていないことをやったといいたくないというのあった。妻も接見は禁止の状態。辛い思いしているかなとか。自分がやっていないことは何があってもやっていないという気持ちでいた。」

弁護人を務める市川耕士弁護士は、「高知地方検察庁に説明を求めるとともに賠償請求も検討している」とコメントしました。「起訴取り消し」という異例の事態となったこれまでの経緯を振り返ります。

今年9月。県警の捜査員が一斉に香南市役所に家宅捜索に入ります。

容疑は「官製談合と入札妨害」。市営住宅解体工事の一般競争入札をめぐり、入札を担当する住宅管財課の男性課長が最低制限価格に近い金額として「2900万円」を元市議会議員の志磨村公夫被告(61)に伝達。志磨村被告が建設会社の元社長、北代達也被告に金額を伝えて落札させたとして3人が逮捕されました。

このうち、男性課長は当初から一貫して容疑を否認。逮捕から4日後、弁護人による準抗告が認められ釈放されます。しかしその1週間後、今度は高知地方検察庁が同じ容疑で男性課長を再び逮捕。起訴したものの、11月に入り「勾留の必要がなくなった」として釈放しました。

さらに今月3日、今度は起訴そのものを取り消す異例の事態となりました。理由について高知地検は、「公判請求後に新たに判明した事実関係も踏まえ改めて証拠を精査した結果、有罪を立証するのは困難だと判断した」としています。

一方、元市議の志磨村被告と建設会社の元社長・北代被告は、10万円分の商品券の受け渡しがあったとしてそれぞれあっせん収賄と贈賄の罪に問われています。