KUTVニュース

高知県いの町・仁淀川橋 耐震化工事で「命を守る」

高知県いの町の仁淀川にかかる仁淀川橋。みなさん一度は通ったことがあるのではないでしょうか。ゴールデンウイークには紙のこいのぼりが泳ぐスポットとして人気ですよね。この仁淀川橋でいま、大規模な工事が行われています。普段は見ることができない工事の様子に、からふるのカメラが密着しました。

「今私が立っているのは仁淀川橋の上です。今こちらの橋では耐震工事が行われているということで今回特別な許可をいただいて取材しました」

国道33号の仁淀川橋。一級河川、仁淀川にかかる銀色の橋は、景観とともに古くから県民に親しまれています。橋の歴史は古く、大正時代に木造の橋が架けられ、1930年=昭和5年の秋に、現在の橋が完成しました。現存する橋としては全国的にも珍しいといいます。

「昭和初頭において西日本一の大規模な架橋工事であり、大型重機がない当時に橋脚工事は川に潜って人力で穴を掘るなど苦労の連続であったとの記録が残っています」(土佐国道事務所 佐川国道維持出張所 吉田宏樹管理第二係長)

この仁淀川橋がいま、新しく生まれ変わろうとしています。目指すのは、東日本大震災クラスの地震にも耐えられる橋。これまでにも舗装や塗り替えなどの補修工事は行われてきましたが、構造を根本的に強化する工事は今回が初めてです。

「橋の上の部分の既設部材の撤去作業中」(横河ブリッジ大阪工事本部 松下勝彦 課長補佐)

こちらで行われているのは、上横構という橋の天井部分に交差して取り付けられている部材を新しく取り換える作業です。古い部材の切断には電動ノコギリを使用。ガスバーナーを使ってより早く切断する方法もありますが、工事中の橋を通る車や仁淀川の水質に配慮し、火の粉が出ないよう丁寧に1本ずつ切断していきます。幅、厚みともに一回り大きな部材に取り換えることで、耐震性を高めます。

支柱部分ではこんな補強工事が。

「古いリベット構造を撤去し、いま一般的に使われている高力ボルトを取り付ける。(ボルトを)1本ずつ撤去して1本ずつボルトを差し替える作業を行っています」(横河ブリッジ大阪工事本部 松下勝彦 課長補佐)

長年、橋を支え続けてきたボルトの差し替えです。人の手で1本ずつ行っているため、支柱1本のボルトを差し替えるだけでも数日かかります。

「人流、物流の要の橋。いの町にとってはシンボル的な橋。必ず来るであろう南海トラフ地震に対し、輸送路として、避難する橋として非常に大切なもの。より安全に美しくなるということなのでいっそう人流、物流が盛んになることを期待している」(いの町 池田牧子町長)

今年で91歳を迎えた仁淀川橋。仁淀ブルーとともに時代の流れを見守ってきた橋がいま、未来のわたしたちの命を守る橋として生まれ変わろうとしています。