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南海トラフ地震のメカニズム解明へ 日向灘を調査

近い将来、必ず起きるといわれる南海トラフ地震。その発生メカニズム解明を解明しようと日々、研究が続けられています。地震研究者たちが注目している場所が宮崎県沖の日向灘です。この日向灘で先月、東京大学地震研究所や海洋研究開発機構=JAMSTEC、大学が合同で調査を行いました。その調査航海の模様をからふるが取材しました。

近い将来、必ず起きるといわれる南海トラフ地震。駿河湾から九州に至る想定震源域の中で、西の端にあたる日向灘に今、地震研究者が注目しています。今回の調査プロジェクトのリーダー、東京大学地震研究所の木下正高教授です。2012年から3年間高知コア研究所の所長を務めていました。

ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの西の境目に位置する日向灘では、「スロー地震」と言われる体感できないほどのゆっくりとした地震が頻発しています。そしてそのスロー地震が大きな地震を誘発する可能性があると指摘されているのです。

日向灘の下に伸びる海底の山脈。九州・パラオ海嶺です。この九州・パラオ海嶺は日向灘に向かって沈み込んでいて、その境界部分には海底から1000メートル以上の高さでそびえ立つ地形=海山が沈み込む際に破壊されてできたと思われる穴が確認できます。沈み込む海山が日向灘のスロー地震に関係しているのではないか。そしてそのスロー地震はさらに大きな地震を誘発する可能性が本当にあるのか?その謎に迫ります。

今回の調査には東京大学地震研究所、JAMSTEC、高知大学などから研究者や学生13人が参加しました。

こちらは今回の調査に使う観測機器。およそ5トンの巨大な重りにパイプをつけたものです。

機器の重さで海底にパイプが突き刺さり、引き抜くと3~4メートル分の海底の堆積物を回収できるという仕組みです。表層ではありますが、数万年分の情報が詰まっています。ヒートフローと呼ばれる海底の温度の変化を調べることも重要なミッションです。

船は日向灘の調査海域に向けて出発しました。現場までは10時間かかります。調査海域に到着したのは午後7時。波も穏やかです。翌日まで待つことなく、すぐさま観測機器を投入する準備に入ります。何トンにもなる観測機器の投入には、新青丸が誇る巨大クレーン「Aフレーム」を使います。機器の投入は船の装備を使いこなすことができる船員が行います。

最初の調査はヒートフロー。7か所の熱量測定が終わった時には朝になっていました。観測機器がデータを持ち帰ってきます。

こちらが1000分の1℃の誤差まで計測できるヒートセンサー。データは無事に取れているでしょうか?

早速、船内でセンサーにアクセスすると・・・データが出てきました。

ヒートフローの次は次はいよいよ海底のコアの採掘に挑みます。採掘用に投入した装置が戻ってきました。

宇宙を観測するより難しいと言われる海底の調査。そこに直接アクセスし、手に入れたサンプルは貴重です。37時間、ほぼ休むことなく調査は続き、新青丸は帰路につきました。採取したコアの分析は10月に高知で始まります。